■鬼瓦と猿
「シャチホコ」といえば、名古屋城の「金のシャチホコ」が有名ですよね?一見、魚?に見えはしますが、頭は龍のようで、尾を高く反り返らせています。実は、シャチホコは麒麟等と同様に、想像上の生き物で、”水を呼ぶ”とされている事から火伏として天守に置かれている物ですよね?
日本家屋の瓦屋根で、両端につけられいるのが鬼瓦で…。最近北海道は、元々瓦屋根が少ないので、ないですけど、本州も減って来た気はしますが、何故、恐ろしい形相をした代物を、しかも、よりによって一番目立つ所にしつらえるのか?答えは「魔除け」ですよね?
本来の魔除けは、鬼門とされる艮(丑寅)の方角の北東に向けて、あるいは裏鬼門である坤(未申)の方角、つまり南西に向けるのが筋ではありますが、敷地や日当たりを考えたら、そうそう思い通りにもいかない訳で…。そこで、屋根の両端の目立つ位置に鬼瓦を据えて魔除けとしたのさ…。 鬼門封じの話としてよく取り上げられるのが、京都の北東に位置し、皇城表鬼門を名乗る赤山禅院でして…。
本尊として祀られているのは泰山府君という神様。人間の生死を司ると同時に、死者の生前の行いによって魂の行き先を決める神様と言われています。その国や教え宗教等で解釈違いますが、いわば、地獄の主神・冥界の総帥として閻魔天の部下的な存在のようです。
ところで、赤山禅院の拝殿には不思議なものがある…。猿の像なのさ!お祓いの幣串と神鈴を持った猿の像は、京都御所の鬼門を守り、邪気が御所に侵入するのを防ぐため、比叡山延暦寺の鎮護・日吉大社(滋賀県大津市)から遣わされたものらしい…。日吉大社は猿を神の使いの「神猿(まさる)」として来た…。まぁ、神の化身が御所を守っているという事ですわ…。
しかも、猿が見つめているのは、京都御所の北東の角、「猿ヶ辻」の屋根裏に置かれた猿の像だという…。 この猿ヶ辻の猿も日吉大社から遣わされたもので、白い御幣を担いで京都御所の鬼門を守っているのさ!そして、魔物が御所に侵入した時は、赤山禅院の猿と共に叫び声を上げて知らせるとされている…。
