■自然を知らない伊達の人達
最近は伊達でも東京の人達と同じように、日々の仕事に追われて忙しく毎日を過ごしているようだ。 仕事に追われると人はどうしても足元を見るようになり、上を見なくなり俯いて歩く。 すると、伊達も東京と同じような風景となってしまう。家族サービスの為にたまの休みに郊外に出掛けるという点でも東京と同じだ。郊外が近いか遠いかという違いだけである。

私は暇人なので、いつもウロウロと伊達近辺を探し物をしながら走っている。何か落としたわけではなく、この季節の草花や牛や北キツネや自然などを見る為である。今はカラ松の木に山アジサイが絡みついて咲いている。
20メートル以上もある大木にしがみ付いて咲いている花は可憐である。真白な花弁が楚々とした感じを出している。
ある日、ゴルフをしている時に私はSさんに聞いた。『あの白い花は山アジサイという名前ですか?』
Sさんは怪訝な顔をして、『どこにそんな花があるの?。見たことないなー』と言う。
そこでキャディさんにも聞いてみた。彼女も『見たことがないし、名前も知らない』と言う。コースの途中にでもどこにでも咲いているので、『これですよ』と言うと、『へー、初めて見た』と言う。
またある日のことだ。太陽が山の陰に沈んで行くのを見た。とても綺麗だった。この写真を撮ろうと思い、町の人に聞いた。『今の時期は何時頃にどちらの方向に太陽は沈むのですか?』Mさんは言った。
『知らないなー。見たこともないなー』4日の夜に町の『ひろや』で食事をしてコテージに戻ると、空が真赤だった。午後7時だった。
早速、カメラを持ち出してカートに乗って、女房と一緒に洞爺コースの5番に急ぐ。
ここから見る茜色の空、そして洞爺湖を見下ろす景色は最高である。しばし時間を忘れて眺めていたら真っ暗になってしまった。カートにはライトが無いので、帰り道は困った。そろそろと手探りでコテージに戻る。
自然に囲まれて季節移住を楽しんでいる私達はいつも自然を感じている。この町でも現役の方は忙しいとは思うが、都会から自然を求めてやって来るような良い環境に住んでいる伊達の皆さんは、たまには車を降りて、上を向いて歩きましょう。

(おまけの話)
私の留守中に小金井のHさんが毎日のようにメールをくれる。そして、我が家の近所の出来事を知らせてくれる。お願いしたわけではないが、親切なのである。工事中だったJR中央線が最近になって片側だけ高架になったと知った。
写真も付いて来るので、私設のガードマンを雇っているようなものだ。小金井市はゴミ処理場が無いので、他市に頼っていたが、それも最近になり断られた。
Hさんからの報告によると、小金井市は地元民に小型ゴミ処理機を購入することを推薦しているらしいが、そのメーカーを巡って議員が暗躍しているらしいという。Hさんは自宅の庭で野菜畑を作っている。そんなことから庭で堆肥も作っている。
自然を愛して、野菜を愛している都会のHさんの方が伊達市の人達より自然を楽しんでいるという変なことが起きている。