■東京からやって来たババアフレンド
私にはHさんというババアフレンドがいる。女房にも公認となっている。 名前はY子さんという。知り合った頃は彼女も若かった。
その彼女が友人と2人で伊達市にやって来た。なんと東京から列車でやって来たので驚きだ。
ある日に携帯電話が鳴った。出ると彼女だった。『函館駅まで切符を買ったが、それでいいのよねー』と言う。何を考えているのか?
『違うよ!伊達紋別駅までだよ』と言うと、慌てて切符を買い直していた。それほどアバウト女なのだから、嫌になってしまう。

午後3時22分着のスーパー北斗で函館方面からやって来た2人を私の車に乗せて町の中を案内する。市役所通りの電柱の無い町並みに驚く。次にカルチャーセンターに行き、その広大な敷地に驚く。
次には牧家のソフトクリームの量の多さに驚く。
東京から来ると驚くことばかりのようだ。次に寄り道をしてイコロ農園での私が製作に関わったピザ釜、炊飯釜、五右衛門風呂を見せたら更に驚く。
夕食には文七に行き、『おまかせ』の寿司の新鮮さとその量に驚く。遠くからやって来たY子の為に食後は歌って踊れるルイジアンナ(別名・いなかっぺ)に行く。こんな田舎にこんなステージがあるのにまた驚く。
そこには2グループが来ていて、いつもと雰囲気が違う。オババY子はノリがいいので、すぐにその雰囲気に慣れてしまう。
地元の巨漢のHさんが他のグループと来ていたが、いつの間にか3グループは合同となってしまった。
その後、この町で一番忙しいRさんを呼び出し、歌に踊りにと盛り上がる。
東京から来たY子はエンターテイナーである。歌も上手けりゃ踊りも凄い。
伊達の都会ズレしていないオヤジ達は呆気にとられている。延々と続いたエンターテイメントはやっと12時30分終わった。最後に驚いたのはY子ではなく、伊達の人達だった。このババアフレンドとこれから5日間を共にするのかと思うと気が重い。Rさん、伊達の皆さん、お騒がせしてご免なさい。

(おまけの話)
かなり以前の話だが、私の家族と今回登場のHさんと香港旅行をしたことがある。いま考えてみれば、変な組み合わせで旅行をしたなー。
香港に着いた当日のことである。買い物好きなHさんは我々と一緒に早速町へ出た。
ショッピングモールのエスカレーターで彼女は少し我々から離れてしまった。すぐに追い付いて店で買い物をして気が付いた。彼女の財布が無いのだ。
全てのお金、カードなどが入っていた財布を旅行の初日にすられてしまったのだ。すぐに警察に届けたが、その時にに警官に言われた。
『スリにあった日本人は今日はこれで4人目だ』
事情を聞いて分った。エスカレターの降り口で、前のオジサンが新聞を落とした。それを拾うおうとして、後ろから乗客が押せ押せとなった時にすられたらしい。
これは新聞を落としたオジサンとグルになったスリの手口だそうだ。彼女は旅行中は一銭も無いので食事からレジャーまで全部私のカードで支払った。
それなのにHさんは私のカードで大型家具なんか買って、船便で日本に送っていた。そんな大物のHさんである。彼女と居ると、私が小物に見えてしまう。