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[2007.08.30]
■手回し蓄音器でSPレコードを聴く
伊達市のOさんは伊達を代表する文化人であると私は決めている。そしてクラシック音楽がなにより好きだ。また、ご近所のN画伯はクラシック音楽を聴きながら絵を描くと聞いた。そのせいか、N画伯とOさんは話が合うようだ。 
 
彼らはワインを飲みながらクラシック音楽の話をしているのが至福の時のようである。 
私もクラシック音楽は嫌いじゃないが、あまり詳しくない。 
 
ある時、Oさんと話していたら、『音楽はCDで聞くのとSPで聞くのは全く違う音楽のようだ』と言っていた。そういえば私の子供の頃はレコードは殆どSP盤であった。 
でも、どのように違うのかは残念ながら私には分らない。 
するとOさんは『家に来ないか?SP盤でクラシック音楽を聞かせてあげよう』と言う。 
 
誘われたら断らないことを信条としている私は、早速Oさんの家に行くことにした。 
女房と一緒に訪問したOさんの家はオーディオの為に作られたような家だ。広いリビングにプレイヤーが3台、スピーカーが2セット、レコードが2000枚はある。 
その他に手回し蓄音器がある。それらが全て骨董価値のある物ばかりだ。 
 



特に私が気に入ったのが、手回し蓄音器だ。80年前に作られたイギリス製の物で、もちろん電気は使っていないで、メカだけでレコード聴く。 
大事にしている蓄音器で、大事にしているSP盤のレコードを掛けてくれた。 
 
蓄音器の右側にあるハンドルを愛おしそうに正確に50回まわす。50回より多くても少なくても駄目だと言う。なんとも懐かしいような音が蓄音機から湧き出して来る。 
今なら高級乗用車が買えるくらいの高価な蓄音器を私の為に動かしてくれた。伊達市でこれを聴いたことがある人は今までに居ないと言われた。 
 
次に電気蓄音器でLP盤のレコードを聴かせてくれた。CDも掛けてくれたが、こうやって比較して聞いてみると私でもその違いが判る。 
 
 
野暮な私はOさんのコレクションの金額ばかりが気になる。『これは幾らくらいするの?』。Oさんは嫌な顔もせずに教えてくれる。長年にわたり集めたOさんのコレクションは歴史的な価値があるように思えた。 
でも、それ以上に感心したのは、Oさんのクラシック音楽にかける情熱だった。 
 
伊達で本物に出会えた夜だった。私には何か本物があるだろうかと考えてしまった。 
 
(おまけの話) 
Oさんは私から見ると『クラシック音楽の原理主義者』である。彼は『偉大な作曲家が作曲した名曲を、名演奏家が楽譜に忠実に演奏してくれるのが最大の喜びだ』と言う。だから、カラヤンや小沢征爾などは楽譜に忠実でないので好きでないと言う。 
 
私の好きなフジ子ヘミングなんかは全く相手にしていない。 
昔のレコードにはそれを忠実に守っている物が多いので、コレクションは殆どが50年以上前のレコードとなる。貴重品のレコードはプレイヤーにかければ針で痛む。思い余った彼はそれをCDに録音して聞くことを考えた。 
 
しばらくそれで聞いた後に気が付いた。 
例えてみれば、本物の名画を写真に撮って、それを鑑賞しているようなものだからだ。 
今ではかければ痛むことを承知で本物を聞く毎日である。だから私にも聞かせてくれた。 
心の広いOさん、ありがとう。 
TANNOY
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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