■最後の晩餐になにを食べるか?
雑誌などによく有名人が最後の晩餐に食べたいメニューなんていうのが載っている。 私の場合はその時は鰻重だ。それも野田岩本店のものを食べたい。白米と塩鮭なんてのも捨て難い。
文七の寿司もいいかもしれない。でも、やはり鰻重だ。
鰻は関東と関西では大きく違う。先ず割き方であるが、関西は腹から割く。ところが関東は背開きである。
焼き方も違う。関東は蒸した後に焼く。関西はそのまま焼く。だから関西の鰻は関東の物に比べると少し硬い。
それでは鰻は本州のどこから関西と関東が分かれるかというと、それは静岡である。だから静岡では鰻重の関西風と関東風が同居している。

関東では鰻の名店は色々あると思う。所詮、食べ物は個人の好みの問題であるから、どこが一番美味いとは言えない。静岡では頭が付いたままの鰻重を食べたことがある。
お重から頭がはみ出ていた。
名古屋ではなんといっても、熱田神宮のそばの蓬莱軒の『ひつまぶし』であろう。関西風に焼いた鰻を細かく切り刻んでおひつに乗せて出して来る。
それをお茶碗によそって1杯目はそのまま食べる。2杯目は山葵と海苔で食べる。3杯目はなんとお茶漬けにして食べる。
鰻は色々な食べ方があるが、中華料理の鰻は好きではない。鰻はやはり『鰻重』に限る。
若い頃はお重に2段に鰻が入っているものも食べられた。
今はもう食べられない。太るなんて気にしないで、食べられる時に食べておいた方がいい。でも、最後の晩餐にもう1回だけ2段の鰻重に挑戦してみようかなー。
(おまけの話)
伊達から沢山の友人が東京にやって来る。
そんな時は時間が許す限りお付き合いをすることに決めている。私は酒が飲めないので、もっぱら食事のお付き合いである。そんな時に案内したいのが、野田岩本店の鰻である。

伊達というか、北海道は鰻を食べる文化が無いのか、美味しい店を知らない。
伊達から来る建築業のKさんは野田岩の鰻に縁が無い。
1回目は時間が無くて行けなかった。2回目は定休日だった。3回目にやっと行けることになり、勇んで飯倉の本店に行った。ところが、間の悪いことに、その日だけ臨時休業であった。仕方ないので写真だけ撮って伊達に帰って行った。
そのKさんはいまだに野田岩に行けないでいる。
ところが、初めて行く気になったRさんは、その日は定休日でもなく、臨時休業でもなく、帰りの飛行機の便にも十分に時間があった。
野田岩本店の鰻重を堪能して帰ったRさんのもとに、Kさんから恨みのメールが入ったと聞いた。Kさん、次回は大丈夫ですよー。