■ラブホテル街の中の寿老神
デジカメクラブの撮影会のテーマとして、私が何回も行っている下谷七福神を選んだ。メンバーと山手線の鴬谷駅で午前10時に待ち合わせた。 時間になっても誰も来ない。すると携帯電話が鳴った。
出てみるとMさんからで、駅の反対側の改札口で待っていると言う。
打ち合わせの時に、新宿駅から電車に乗り換えて、進行方向の左側に降りると言ったのに、私の話を誰も聞いていない。だから年寄りは困る。
参加者は都合が悪くなった人や、風邪をひいたという理由で4名だけであった。
鴬谷駅からすぐ1~2分のところに先ず1番目の寿老神の祀ってある元三島神社がある。でも、ここに行くにはラブホテル街の中を通り抜けていかなければならない。
狭い両側がラブホテルの道を昼間から男4人でを歩くのも照れる。

神社はラブホテルに土地を売ったのか、かなり狭く、ホテルに寄りかかるように建っている。寿老神は長寿の神様だというから、ラブホテルに隣接していた方が元気が出ていいのかもしれない。
日本中に沢山の七福神があると思うが、ラブホテル街にある七福神はこの下谷七福神を除いてはないだろうと思う。
そこから歩いて福禄寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、恵比寿、布袋と廻る。
最後の布袋尊は三ノ輪にある。ここは都電荒川線の終点でもある。ゆっくり歩いて、お参りをしても1時間で終った。そこから更に歩いて浅草まで行く。
食事をした後に、浅草から日の出桟橋まで水上バスに乗って、隅田川クルーズを楽しむことにした。
水上バスに乗っているお客は殆どがはとバスのお客か外国人観光客だ。
みんな胸にはとバスのバッジを付けている。東京在住のお客は我々だけかもしれない。久し振りの隅田川はとても水が奇麗になった。全く臭くない。
40分掛けて墨田川からビルの林立する都会の光景を眺める。

いつも見ている光景と違い、『東京は水の都だな~』とシミジミ思った。次回は伊達の皆さんを案内しようと思う。
(おまけの話)
弁財天のお参りを済ませて昭和通りに出る。
そして布袋尊に向かって歩いていた時のことである。
後ろから自転車で来たオヤジが連れのMさんに後ろからなにか言っている。
なにか言い掛かりを付けられたかなと思った。自転車を降りたオヤジはMさんに再び何か言った。
するとMさんは『やー、どうしたの?』なんて言っている。
少し話をしてから、そのオジサンは去って行った。Mさんに聞いてみた。
『何を話していたの?』、するとMさんは、『今の人は家が近所の人で、三ノ輪の営団地下鉄に勤めている。たまたま、ここを通り掛かったので、声を掛けたとその人は言っていた。』と言う。
これだけの話だが、これは大変なことなのだ。
Mさんは山梨県の上野原に住んでいる。そのオジサンも同じくだ。
ここに来るには2時間は掛かる。しかもMさんがこんなとんでもない場所を歩いているなんてことは、そのオジサンにとっては想定外のことである。
しかもMさんの後ろから自転車で来たのだから、どうして、それがMさんと判ったのだろう。これは不思議な話だ。
Mさんの後ろ姿に特に特徴も無いと私は思う。