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[2008.04.18]
■仏師が人気の薬師寺展を見る
上野と言えば犬を連れた西郷隆盛像である。 
 
 
風邪をおして上野の東京国立博物館に『国宝・薬師寺展』を見に行った。 
 
今回は仏像彫刻の榎本先生の引率である。 
更に仏像を理解する為に『仏像の見方、楽しみ方がよくわかる。仏像の辞典』という本も買って勉強しておいた。 
 
今回の展示は仏像がよく見られるようにとの配慮から、360度どこからでも仏像が見られる。お寺で見る仏像は背中は見られないのだから、この機会を逃したら、もうこの仏像の背中は見られない。 


今回、奈良から運ばれて来た仏像はポスターにも出ているメインの国宝の『日光菩薩』、『月光菩薩』の他、国宝の絵画や仏像などである。 
御本尊の薬師如来像は残念ながら来ていない。 
 
薬師如来は現代風に言うと医者の神様である。肉体と精神の両方を救ってくれる。奈良では金堂で薬師如来の右側に居るのが日光菩薩で、これは日勤の看護師である。 
そして左側に居るのが月光菩薩で、これは夜勤の看護師であると薬師寺の坊さんに教わった。 
 
 
そう言われてみると、非常に判り易いし、親しみが湧く。 
 
入口で解説用のイヤフォンを借りる。説明役は女優の市原悦子であったが、薬師寺は彼女のイメージではない。 
『家政婦は見た』を連想させてしまう。 
 
私としては今回の解説は若尾文子とか吉永小百合にやってもらいたかった。 
会場では色々な展示物の終りの方に2体の菩薩はある。 
薄暗い照明の中で間近から見る日光菩薩と月光菩薩に圧倒される。 
 
仏像彫刻をするようになってから私の仏像を見る態度も違う。 
この仏像は木製ではなく鋳造であるが、細部までしなやかに作られている。今は黒く光っているが、制作された時は金箔が施されていたそうである。 
 
NHKテレビで再三にわたり薬師寺について放映されているので、普段は仏像とあまり縁の無い人達も大勢見に来ている。これは見るに値する仏像である。さすがに国宝である。 
 
こういう場面に接すると、『日本人で良かった』と心から思うのである。 
次回は5月に伊達からやって来るKさん夫妻と見に行く予定である。 
 
(おまけの話) 
人は仏像をなにげなく見ているが、普通の人は知らないことも多い。 
そこで、今回は仏師の私から仏像に関するミニ知識です。 
*如来・・・心理を悟った者。仏像の中で最高位。 
       (例)釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来など。 
*菩薩・・・悟りを求める者。如来に続く位。 
       (例)弥勒菩薩、十一面観音、千手観音など。 
*明王・・・如来の教えに従わない者達を憤怒の相で懲らしめる。  (例)不動明王、愛染明王、五大明王など。 
 
*仏陀には驚くような32の特徴がある。その中から面白い物を幾つか。 
1、へん平足である。 
2、手足の指の間に水かきがある。 
3、頭の上の出っぱりのマゲの中は肉塊である。 
4、額の丸い印は白い毛が渦巻いているのである。 
5、体毛が上向きに生えている。  
 
仏陀は後のお釈迦さまです。今回の薬師寺展で展示されている仏像は菩薩ですから、まだ悟りは得ていません。 
悟りを開いた御本尊の薬師如来像は来ていません。  
この程度の知識でも、これからの仏像鑑賞では見る目が違うはずです。 
6月8日までの間に是非ともご覧下さい。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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