■初めて知る言葉『出面』
長く生きていると知らないことが少なくなって来る。 よほど専門的な分野のことでない限りは、大体は判ると思っていた。
ところが、ある日のことである。
伊達の友人達とのメールの中に私の知らない言葉が出て来た。こんなことは滅多にないことである。
そんな時は普通は(私もよくやるが)、漢字の変換間違いである場合が多い。
ところが、今回は間違いではなかった。
その言葉は『出面』である。
これは何と読むのかも判らなかった。
M代さんがCCで送信しているメールの中にそれはあった。
『今日は、出面休みで少しはのんびり出来ましたでしょうか?』・・とある。
これを見た私は外国語かと思った。
その後にまたCCで、Tさんが送信しているメールの中にそれは出て来た。
『デメン取りに来て下さい。腰を痛めてピンチですが、デメンの使い方も判らないので効率の悪い有機栽培をしています。』・・とある。
これで『出面』は『でめん』と読むのだと分った。
文章の流れからでも意味が分らない。
こんな言葉は北海道以外でも通用するのかと疑問に思って、なんでも知ってるRさんに問い合わせた。

さすがにRさんは知っていて、『出面ですが、読み方は北海道ではデメンが一般的に思います。その内容は仕事の質を問うのでなく、時間だけを評価するものです。顔(つら)さえ出せば、仕事の良し悪しに関係なくお金が貰えるとのことらしく、現代では北海道でもあまり評価される言い方では使われなくなっています。』・・との回答を送ってくれた。
昔は建築・土木関連で使われていた言葉が北海道では農業関係者にも使われるようになり、今では農作業のパートのオバサンをデメンさんと言うらしい。
建築関係では当初は『でづら』と読んんでいたらしいこともインターネットで調べて分った。
『面を出す』から『でづら』とは分り易いが、なんだか蔑視みたいだなー。

(おまけの話)
私は伊達市の農家の人達とお互いに『農事報告』を行っている。
私の場合は自宅の庭のたった1坪未満の小金井農園の作物に関してである。
伊達の人達の農地はなん町歩とか言うらしいが、広くてよく分らない。
そんな人達と毎日のようにメールを交換していると、今回のような私の知らない言葉が出て来る。
最初にこの出面を使ったメールを送信して来たM代さんは嬉しくなって、次のようなメールを送信して来た。
『ほっほっほっ~!(勝ち誇った笑い声)。世界中を旅行し、長ーく生きてらっしゃる頭脳派の橋本さんも知らない言葉があるのですね?一本!技あり!です。』・・・・と、嬉しそうだった。
それよりも今年の伊達近郊農家は春先の寒さの影響で、アスパラガスも駄目、サクランボも収穫予想は半分、レタスも最初の植え付けは全滅、米も水不足でどうなるかと散々な目にあっている。頑張れ!伊達の農家のおっさん達!
添付写真の『でめんさん』は、私の要求でイコロ農園のTさんがわざわざレタス農家のSさんの畑に行って撮影してくれたものです。
実は、Tさんの本職はいまでもカメラ屋である。