■アメリカ生情報に触れる
ロスから来た女房の従兄弟がアメリカから色々なお土産を持って来てくれた。 今では世界中の物が何でも手に入る東京に住んでいると、品物よりは情報や会話が嬉しい。
新聞やテレビで見るアメリカの情報は間違ってはいないが、生でない分面白みに欠ける。
彼は今回は新聞と広告のチラシを持参してくれた。
サブプライム問題は予想以上にアメリカ経済を直撃しているようで、消費者の購買意欲は極端に落ち込んで来ている。
民主党大統領候
補の選挙演説でも、いまや経済が最重要課題になった。
政府は減税の為に各家庭に小切手を発送している。
その小切手を目当てに色々な店がキャンペーンを張っている。

新聞の広告でも、日本でいうところの『100円ショップ』のような、『99セント・ショップ』の広告が大きく出ている。
その広告には『税金の戻りは借金の返済が1番。2番目に良いのは99セント・ショップでの買い物です!』なんてやっている。
ところが、そんなのは関係無い人達も大勢居るようで、不動産屋のチラシに出ている物件は日本円で3億円くらいの物が多く、中には25億円なんていう物もある。
不動産の価格は日本と違って、駅に近い必要はない。
そもそも駅なんて殆ど無い国なのであるから・・・・。

一番の条件は『見晴らし』であるという。
高額な物件はみな見晴らしを強調している。
女房の従兄弟の住んでいるサンタモニカのマリブ地区は高級住宅街なので、不動産価格は逆に上昇しているそうだ。
民主党大統領候補選に付いても現地の新鮮な情報が盛り沢山だった。
各州の選挙だが、当初は『改革か?、経験か?』と言っていたものが、選挙が終盤に近付くにつれて、今では『大統領候補に女性を選ぶのか、黒人を選ぶのか?』に変化して来ているそうだ。
多くのアメリカ人は我々が思っているような都会人ではなく田舎者なので、難しい話は駄目なようで、単純な話に収斂して行きそうだ。
それが本当は世界にとってはとても怖いことなのだ。
(おまけの話)
暫く前の日本のバブル崩壊を見て、アメリカの金融関係者は日本をバカにした。
アメリカではそんなことは起きない・・・と。
ところが、今回のサブプライム問題は日本のバブル崩壊より根が深い。
家を追い出されてしまい、路頭に迷う人が多く出ている。
また、健康保険が無くて医者に掛かれない人は全米で5000万人もいる。
サブプライム問題を作った張本人達は問題が発覚する前に、既に高額な報酬と退職金をもらって逃げてしまっている。
アメリカは上は大統領から、下は庶民に到るまで口ばかり巧い。
これは小学校時代からのディベート(討論)教育の行き付く先である。
長くアメリカに住む従兄弟の話では、『アメリカを支えているのは、裏方で真面目に働いてくれているアジア系や東欧系の優秀な人達である。
上に居る白人はみな口ばっかりである』と言っていた。
いずれ、そのアジア人や東欧人達が口が巧くなった時には、アメリカはマイノリティが支配する国になりそうだ。
その現れとなるか、今回の大統領候補選挙の結果が待ち遠しい。