■私でも騙されそうな詐欺事件
玄関のチャイムが鳴った。出てみたら、クール宅急便だった。 差出人はイコロ農園の五右衛門風呂を作ってくれたKさんからだ。発泡スチロールに入った沢山の新鮮な魚介類に驚かされた。
大きな毛ガニが2匹、エゾあわびが7個、きんきの一夜干しが2枚という超豪華なプレゼントであった。

それで思い出した。
最近のテレビニュースで見たが、北海道から毛ガニを送って来たので、誰からかも分からずに、生モノだからと食べてしまった人が増えている。
後日、高額な請求書が送られて来るという新手の詐欺事件だった。
私でもこれは引っ掛かるなーと思った。
その話を仏像彫刻教室で話したら、『私はそれに引っ掛かりました』という生徒がいたので驚いた。
大きな毛ガニが2匹送られて来たので、『北海道旅行をしている友人が送ってくれたんだなー』と思い、ありがたくその日の内に食べたそうだ。
翌日に送ってくれそうな友人達に電話をしたが、誰だか分らなかった。
そうしている内に高額な請求書が届いた。
2匹で3万数千円だったそうだ。『食べてしまったし、美味しかったので支払った』と、その女性は大して怒っていなかった。
きっと、以前に毛ガニを取り寄せたり、送ったりした人のリストがカニ業界に出回っていて、そういう人達に毛ガニを送り付けているらしい。

そうだ。今回はKさんの話だった。
なぜこんなに高価な魚介類を私に送ってくれるのか考えた。Kさん夫婦が5月に上京した時に私が東京見物に案内した。
来る前にお土産を送って来て、来た時にもまたお土産をもらい、帰る時にお礼をもらい、また今回の魚介類である。
1回の東京見物でこんなに感謝されたんじゃ、またガイドをやりたくなった。
でも、私は明らかにもらい過ぎだと思っている。
こんな調子じゃー、毛ガニ送り付け詐欺に簡単に引っ掛かりそうな私だ。
(おまけの話)
振り込め詐欺が少し下火になったと思ったら、今度は還付金詐欺である。
年寄りを狙って、税金や年金の保険料を還付すると言って電話してきて、わけのわからない年寄りに銀行に行かせて、ATMを操作させて大金を奪うという新手の詐欺である。
その話も仏像彫刻教室で出たのだが、ここでは先生の奥さんにその詐欺師から電話が掛かって来たそうだ。
その時は忙しかったので、すぐに銀行に行けなかった為に難を逃れたが、詐欺とは全く思っていなかったとのことだ。
昔の年寄りはお金を持っていなかったが、今の年寄りはお金を持っていると思われている。一昔前の外国人が思う日本人像である。
これからは年寄りが増えて行くばかりなのだから、新手の詐欺事件は益々増えて行くと思われる。
でも、そうなると年寄りもどんどん警戒心が出て来て、ボーとしている暇がなくなるので、ボケ老人は減るかもしれない。