■伊達の人が知らない都会の風景
都会の人達はいつも忙しそうにしている。 それが都会人の証になっていて、本人もそれに満足しているるようだ。
だが、私はそんな都会に住んでいながら暇人である。
でも、暇人にも少しは良いこともある。
暇人は忙しい人の見えない物が見えるという特技を持っている。
例えて言えば、いつも自動車で走っている道を歩いてみると判るが、今まで気が付かなかった店や家や花や犬などが見えて来る。
都会には見えた方が良い風景と、見たくない風景というのもある。だが、見たくない風景の方が多いというのも悲しい現実である。
電車に乗れば、向いの席のネーちゃんがバッグから化粧道具一式を取り出して、入念に化粧を施しているというのはもはや普通になってしまった。
パンやおにぎりを食べているのも普通である。
こんなことは私の若い頃には全く無かった風景である。
そんな時に、新宿丸ノ内線の地下道で、面白いポスターを見付けた。

『家でやろう』とは、なんとも直接的で判り易い標語だ。
こうでも言わないと分らないのが、いまのネーちゃん達なんだろう。
若いサラリーマンは電車の中でエロい漫画を読んでいる。
それを見ているこちらの方が赤面する。
また、他のサラリーマンは無心に任天堂のゲームをやっている。
東京のサラリーマンはみんな馬鹿になったか、幼児に戻ったかと思う。
ある時、ニコンのサービスセンターに用事があって行った時に、そこから隣のビルの屋上が見えた。
そこには真っ赤なチョッキを着た男達がたむろしている。
何事かと思ってよく観察したら、そこはビックカメラの屋上で、彼らは社員で休憩時間中らしい。
奇麗な店の裏は見せないが、思いがけず、上から舞台裏を見てしまった。

(おまけの話)
この写真を撮った日に新宿のいつもの居酒屋で『仏像 IN 伊達』の実行委員会が開催された。
議題はかなり細かいところまでに及び、現地での各自の行動予定になって行った。
参加者はまだ決定していないが、10名は楽に越えそうだ。
実行委員会の委員の皆さんは仏像展のことよりも、『美味しい寿司が食べたい』とか、『観光客が行かないような場所に行きたい』とか、『こんな機会でなければ出来ない体験をしたい』と難しい希望を出して来る。
私は『なんでもOKです』と大風呂敷を広げてしまった。
中には『ウニとイクラが山ほど乗ったどんぶりものが食べたい』と、もう仏像展から大きく逸れて、グルメ旅になっている人もいる。
私は大勢の人達の色々な希望を聞き入れて、伊達市の滞在が思い出深いものになって欲しいと願っている。
その為には伊達市の友人達の協力が欠かせない。
その時はよろしくお願いします。